同じ作業内容であっても午前便と午後便では、なぜ大幅な料金の格差があるのでしょうか。またその料金の格差がいかにして 生み出されるものなのか、疑問に思う方も多いと思います。実はここには引越しを依頼する側だけではなく、引越業者にとって も都合のいいからくりがあるのです。
引越業者はあらかじめ、トラック一台一台にグロスという数値を設定しています。呼び名は異なるかも しれませんが、他業種にも同じようなしくみがあります。これは簡単に言ってしまうと、トラック一台が一日に売り上げる 金額のことです。グロスが30万円に設定されていれば、30万円の引越しを一件やるか、10万円の引越しを3件やるか といった具合になります。またこれはある一日に対してではなく、1ヶ月、1年といった長い期間の中での一日という大きな スタンスで捉える必要があります。パチンコ屋さんの設定のようなものでしょうか。
時間のかかる規模の大きな引越しでは、一台のトラックが一日にこなすことのできる引越し件数は当然少なくなってしまうので、 引越料金は高く設定されます。つまり引越業者は午前便である程度グロスを確保しておき、その後に午後便の数をこなす ことでトータルのグロスに到達させるということです。引越作業の現場では作業員がバタバタと走り回っているのを よく見かけますが、これはこのグロスを確保するために引越し件数をこなす必要があるからです。
こういったことから引越料金と時間というのが密接な関係にあることがわかります。この場合の時間というのは、移動時間 を含めた引越し車両と引越作業員の拘束時間のことです。拘束時間の長い引越しは高く、拘束時間の短い引越しは安く なるということです。
引越業者としてはこの一件の引越しの拘束時間が短ければ、数をこなすことができるわけで、トータルで一日のグロスに 達すればいいわけですから、極論として一件あたりの引越料金は問題ではないということになります。引越料金を下げてでも 数をこなすことで、充分に利益を生み出すことができるわけです。ここに午後便の安さの秘密があるのです。
つまり引越業者にとっては足の出る料金設定も、午後便には有り得るということです。最低ラインというのはどの引越業者 も設定していると思われますが、本来設定されるべき料金というのはここではあまり意味を持ちません。交渉次第では 大幅な割引が期待できます。
しかし数をこなすためにはそれなりの時間も必要になるので、ほとんどの業者では午後便、またはフリー便については 作業開始時間の指定や約束には応じないようです。引越業者の都合に合わせての引越しになるのでその見返りとして、 引越料金を割引するというしくみです。
引越業者としては最大限に時間を利用して売り上げを確保することができ、時間のリスクを別とすれば利用者にとっても 最も低価格でできる引越しの方法のひとつといえます。しかし、引越し繁忙期など引越業者にとってはかきいれ時の時期 に時にパンクと呼ばれる、供給が需要に追いつかない状態になった場合、真っ先に影響を受けるのが午後便、またはフリー 便であることも確かです。作業にあたる作業員にとっても疲労に次ぐ疲労の中での過酷な条件での引越しとなりますから、 引越作業開始時間の遅れに加え、作業ミスなどが起こる可能性も高くなるというリスクがあることも否めません。
非常に魅力的な午後便ですが、上述したように引越作業開始時間の指定はできません。利用するにあたってはリスクも つきまとうことも理解しておく必要があります。午前便と午後便の違い、午後便を利用するにあたって は午前便と午後便の違いも ご覧ください
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